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研究所紹介

大手前大学史学研究所について

  1. 大手前女子大学史学研究所の沿革
  2. 大手前大学史学研究所の新組織
  3. オープン・リサーチ・センター開設と研究プロジェクトの進展

1)大手前女子大学史学研究所の沿革

大手前女子大学に史学研究所が発足したのは1981年(昭和56)からです。したがって、もう30年の歩みを重ねてきたこととなります。そのうち当初の20年間は、寄託を受けた古文書の調査研究と市町村史の刊行と、兵庫県神戸・阪神地域の考古調査を主に行なってきました。

前者には、旧伊勢神戸藩主、徳川時代の本多忠勝の子孫にあたる本多家史料調査研究成果としての『旧伊勢神戸藩主本多家史料』(1988)や、国学者一家だった井上家所蔵の古文書、典籍調査、本学社会文化学部の所在地、伊丹市教育委員会との共同で行った伊丹旧村の一つの『鴻池村史』(1999)があります。

後者の考古調査の方は、史学研究所設立のきっかけとなった1980―1981年の学園大阪大手前キャンパス敷地(大坂城三の丸跡)の発掘調査から始まりました。ついで、本学いたみ稲野キャンパス設置にともない、伊丹市からの依頼を受けて1985年から始めて1993年まで、ほぼ連年におよんだ有岡城跡・伊丹郷町の発掘調査をおこないました。また、神戸市の兵庫津遺跡、郡家遺跡、下山手通遺跡など神戸・阪神地域の遺跡を調査しました。

2)大手前大学史学研究所の新組織

大手前女子大学は2000年(平成12)から大幅に組織を改め、従来の文学部を人文科学部と名称変更し、伊丹キャンパスに社会文化学部を新設し、男女共学の“大手前大学”に生まれ変わりました。

新しく所長に就任された衣笠茂先生は、そうした状況の中で史学研究所も新たな組織とする必要があると判断されました。そして、本学教員スタッフの特徴を最大限に生かし、従来の歴史・考古を主とした運営を改め、美術工芸・建築・歴史・考古と、各種の文化財を総合的に研究対象とする新たな組織に再編成されました。その新組織による研究プロジェクト推進のため、大手前学園として、文部科学省「私立大学学術研究高度化推進事業」を申請することとなりました。

3)オープン・リサーチ・センター開設と研究プロジェクトの進展

2002年度(平成14)、大手前大学史学研究所は、「私立大学学術研究高度化推進事業」のうち、オープン・リサーチ・センター整備事業の研究機関として採択されました。研究プロジェクト名は「地域文化財学術情報集積による教育学術研究と地域社会への還元」です。

研究所ではその経費でもって、初年度にセンター建物の新築と、研究装置・研究設備の整備を進め、予定通り2003年(平成15)3月に、3階建て総床面積約1,300平方メートルの新しい建物に、3次元計測装置やX線撮影装置などの機器類が揃い、活動を開始しています。

地域文化財、すなわち兵庫県を中心とした各種文化財の調査研究をテーマとし、継続期間も含め8年間の活動を進め、大きな成果をあげることができました。

  • 高砂市において、「文化財総合的把握モデル事業」とも連動しつつ、竜山石関連遺跡を3次元レーザやGIS(地理情報システム)をもちいて調査し、今後の整備・活用にむけての提案をおこないました。
  • たつの市における龍子三ツ塚古墳群の発掘調査。発掘調査だけでなく、現在の里山植生も調査することにより、遺跡周辺の景観も含めた整備・活用の基礎資料も調査報告書にもり込みました。
  • 歴史的景観・環境という視点から、播磨に散在する「法道仙人伝承」の調査研究をおこないました。その成果は、東・北播磨地域の市町教育委員会と協働した「加古川流域歴史文化遺産マップ」の刊行や2008年(平成20)の「法道仙人と行基菩薩の時代」展に結実しました。

 それらの研究にあたっては、文字通りオープンに、さまざまな立場の研究者もご参加いただきました。2003年(平成15)には、兵庫県教育委員会と本学との間に交流協定が締結され、相互連携を図り、県下の文化財を対象とした研究や公開を促進すると共に、とりわけ、「兵庫県内文化財データベース」構築のための協力体制が組まれた事は、大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センターが目指す研究目的に対しての、力強い後ろ盾となりました。

オープン・リサーチ・センターがおこなった事業のもう1つは、若手研究者の育成です。大学院の修士課程や博士課程を修了した若手研究者を受け入れ、研究活動のスタートアップの場を提供することができました。いくつかの研究プロジェクトや現地調査は、若手研究者の自由な発案によるもので、研究所はそれを最大限にサポートする体制をとりました。在籍中の博士号の取得も、最大限に支援しました。

以上のような、大きな活動の進展を基礎としつつ、歴史・文化遺産をとりまく大きな社会の変化に対応するため、2010年度(平成22)からは、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「新情報技術を活用した歴史文化遺産学の多分野横断的な研究拠点の形成」に採択され、5年間の研究プロジェクトを進めています。その、現在進行中の研究成果については、本ウェブサイトで随時ご報告いたします。